【完】俺が幸せにしてやるよ



そうとは限らないでしょ。



「じゃあ、俺たちは先に帰っとくから」




「ありがとう」




そう言って春輝さんを連れて校舎裏から出ていった。





「陽葵ちゃん?」


不思議そうに聞いてくる明里ちゃん。



「明里ちゃん、私ねずっと明里ちゃんに嘘をついてたの」




「⋯⋯え?」



驚いて目を見開いている。



「悠斗くんと幼なじみなんかじゃないんだ。私捨て子で⋯⋯施設で育ったんだけど、そこから引き取ってくれたのが悠斗くんの両親。驚いたでしょ?」




こくり、と頷く明里ちゃん。


驚かない方がおかしいしね。



「でね、私施設の子だからっていじめられてて。だからこの件が初めていじめられたわけじゃないの、本当は」




< 215 / 273 >

この作品をシェア

pagetop