【完】俺が幸せにしてやるよ
そうとは限らないでしょ。
「じゃあ、俺たちは先に帰っとくから」
「ありがとう」
そう言って春輝さんを連れて校舎裏から出ていった。
「陽葵ちゃん?」
不思議そうに聞いてくる明里ちゃん。
「明里ちゃん、私ねずっと明里ちゃんに嘘をついてたの」
「⋯⋯え?」
驚いて目を見開いている。
「悠斗くんと幼なじみなんかじゃないんだ。私捨て子で⋯⋯施設で育ったんだけど、そこから引き取ってくれたのが悠斗くんの両親。驚いたでしょ?」
こくり、と頷く明里ちゃん。
驚かない方がおかしいしね。
「でね、私施設の子だからっていじめられてて。だからこの件が初めていじめられたわけじゃないの、本当は」