【完】俺が幸せにしてやるよ
こうやって何かしら気になるものがあると一日の流れって早く感じる。
今日それをすごく実感した。
「陽葵先輩」
今日の朝言ったように私のクラスまで迎えに来てくれた。
「あ、香織ちゃん!行こうか!」
悠斗くんにはちゃんと言ったし大丈夫。
すごく心配してたけど。
でも、相手が香織ちゃんだからそこまで止められることは無かった。
梨沙子ちゃんだったら危なかったかも。
そして私がよく言ってるお店っていうのはみんなの知っての通りスイカフェです!
バイトはね、結局ちょっとだけやってる。
一番忙しい日曜日とかにすることになったんだ。
あまりにもすぐ解決しちゃったからね。
悠斗くんたちの行動が速すぎたんだよ⋯⋯。
「いらっしゃい!陽葵ちゃんと⋯⋯?」
モダンな感じのドアを開くと沙織さんが出迎えてくれた。
「こんにちは!学校の後輩の香織ちゃん!」
「初めまして」
礼儀正しい。
一つ一つの仕草が上品なんだよね。
もしかして、お嬢様だったり。
「そうなんだ!はじめまして。じゃあ、好きなところに座って~」
個室に入った。
それににこにこ笑顔の沙織さんも続く。
「あ、今日は個室なんだね。注文は何にする?」
「リンゴジュースで!」
「私はコーヒーでお願いします」
「了解しましたー」
コーヒーって⋯⋯。
大人すぎる!!
なのにリンゴジュースを頼んだ先輩の私って⋯⋯。
恥ずかしい。