【完】俺が幸せにしてやるよ
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「陽葵?」
そう私の部屋から顔を覗かせてたのは悠斗くんで。
「どうしたの??」
「いや⋯⋯ずっと見てたんだけど気づいてたか?」
「え!!⋯⋯全然気づかなかった⋯⋯」
どうしよう。考え事に集中しすぎちゃってたかも。
危ないな。きちんとしなきゃ。
「えーっと、なんか用事?」
「何か用事がないと来たら行けないわけ?」
「いや、そういうんじゃないけど⋯⋯」
「⋯⋯何かあったか?」
え?
「家族みんな心配してる」
家族⋯⋯。うん、そうよね。今の私の家族は私を拾ってくれた優しい翔さんや千春さん、友達みたいに仲良くなった陸斗くん、
そして、大好きな悠斗くん。
そんな大事な家族がいるのに、私を捨てた本当の家族のことで悩むなんて、翔さんたちに失礼すぎる。