【完】俺が幸せにしてやるよ
「だから、正直に言うと今はあなた達に対して嫌悪しかないです。
ごめんなさいって謝られてもそんな言葉だけで済ませられるほど幸せな生活を送ったわけじゃないし、
施設育ちのせいでいじめられることもあったから」
「「「⋯⋯」」」
どんどん話していくうちにふつふつと怒りが湧き上がってくる。
私こんなに、怒ってたんだ。
こんな時、漫画や小説の主人公なら、会えてよかった!って喜んで産んでくれてありがとうって言うかもしれないけれど、そんな事私にはできない。
「陽葵⋯⋯言い訳に聞こえるかもしれないし、納得いかないかもしれないけど聞いて」
私の話も聞いてくれたんだ。ちゃんと聞かなきゃ。
こくんと頷く。
夏菜さんが話し出した。
「陽葵が生まれた時、竜也さんの企業が全然成功してなかったの。お金も全然なかったし私たちでも食べていけるか心配だった」