【完】俺が幸せにしてやるよ
私の目の前には男の子が2人。
1人の男の子は私は見たことがあった。あの時は暗かったけど、忘れるはずがない。
でも、なんでここに?
向こうも私を見て驚いた顔をしてる。
多分、向こうも私と同じようなこと思ってるんだろう。
それに気づかない翔さんは説明を続ける。
「こっちが長男の悠斗。高校二年生だから陽葵ちゃんの一つ上だね」
間違えじゃなかった。
「陽葵⋯⋯」
「⋯⋯悠斗くん」
またって言って別れたのに、こんなところで会えるなんて⋯⋯。
「あれ、二人知り合い?」
そういうのは千春さん。
相当驚いているようだった。
だって、施設育ちの私と御曹司の悠斗くんとか接点が全然ないもの。
知り合うことなんて、普通ない⋯⋯。
私があの時公園にいて、悠斗くんも同じように公園にいたから。
偶然が重なっただけで。
本当だったら会うことすらない。