【完】俺が幸せにしてやるよ
ふぅ、と胸を撫で下ろす。
「よろしくね、陽葵さん」
そういってくるのはニコニコ笑顔の陸斗くん。
うわー、すごいキラキラスマイル。
「う、うん。よろしくね!」
でも目が笑ってないのは気のせいではないよね⋯⋯。
何故かわからないけれど、すごく怖い。
でも、実際急に知らない女の子入ってきてよく思わないのなんてちゃんと理解してるつもり。
私だったらえ!?ってなるもん。
「はあ⋯⋯。陽葵ちゃんのお部屋に案内してあげて?悠斗」
「ああ。行くぞ」
千春さんなんかため息ついてたんだけど⋯⋯。
大丈夫なのかな。悠斗くんもちょっと呆れた感じの表情をしてるし。
そう思いながらも悠斗くんについて行かなくちゃいけないから部屋を出る。
悠斗くんは広い廊下をスラスラと歩いていってるけど⋯⋯
絶対迷う!!これ!
私の行動範囲は施設の中か、施設から学校の中だけだったから。
「ここだ」
そういって通された部屋は結構広かった。