【完】俺が幸せにしてやるよ
「それより教室行く?」
なるべく笑顔で。
早くいかなきゃ後ろもつまりそうだし⋯⋯。
「うん!そうだね!」
うーん。笑顔ではあるけれど、やっぱり寂しそうな顔してるんだよねー。
⋯⋯気のせいではないよね。
あ、ここかな⋯⋯?
ガララと音を立てて教室のドアを開く。
その瞬間さっきまで騒がしかったのにシーンとなってみんながこっちを見てる。
え⋯⋯。なんかすごい光景だな⋯⋯。
そんなに高校から入ってくる人って珍しいのかな?
⋯⋯⋯⋯あれ?
私に視線を向けてる人がちらちらいるけど圧倒的に成富さんに向けられてる視線のほうが多い?
しかもあんまりこの視線は好きじゃないな⋯⋯。
この視線は、私が悠斗くんと歩いてた時に感じた視線とおなじ。あと少し、昔の私が向けられていた視線。
もしかして、このことでさっきから悲しそうな顔してたのかな⋯⋯?