【完】俺が幸せにしてやるよ



この状況になるのが分かってて、私にその事がバレると思ってたのかな。




それで、私が嫌うって?⋯⋯そんなことないのに。




「成富さん!座席みよ!」




できるだけ明るく言った。私は大丈夫だよって。




成富さんはすごく驚いてる。



私がその人のことを全然知らないまま嫌いになることなんてないのに⋯⋯。




でも、成富さんがああいう視線を送られてたとしても離れていかないよ。




大丈夫だから。





そう思いながら成富さんに笑顔を向ける。





「⋯⋯ありがとうっ」




今にも泣きだしそうな成富さん。





「ほら、こんな性格だと似合わないよ!明るくね!」




さっきまで、明るかったのに。



「ふふっ。うん!」





よかった。元気になって。





気になることはいろいろあるけど知り合ったばっかりだしむやみに踏み込むのもかわいそうだよね。





というか私も踏み込んでほしくないっていうのが本音だし。





前みたいに養護施設のことを悪く言われたくない。成冨さんはそんな事言わないって直感で感じるけど。




だからここでは普通に平和に暖かい家族と暮らしてきた女の子をする。




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