【完】俺が幸せにしてやるよ




「ふふ!ありがと!」




そういって成富さ⋯⋯明里ちゃんは満面な笑みを浮かべた。



かわいい⋯⋯。




なんでこんなに可愛くていい子が一人なんだろう⋯⋯。





でもさすがに今聞くのはダメだよね。




出会ったばっかりだし。自分は踏み込んで欲しくないのに踏み込みたいとか、自分勝手すぎるしね。




「ねぇ!もう少しで入学式始まるみたいだよ!廊下に並び始めてる!」




あ、ほんとだ。行かないと⋯⋯。



明里ちゃんと話してたらすぐ時間が経つなぁ。



入学式かぁ。入学式は五十音順で2列になるから明里ちゃんとも近くないし⋯⋯。




そう考えながら体育館に入る。




すると沸き起こる拍手。




なんかこの景色新鮮だな。やっと、高校に入学したんだっていう感じ。




歩くときにちらっと見えた千春さんと翔さんは笑顔でこっちを見てた。




今までの私には絶対にありえないこと。




本当の親じゃないのに私を本当の娘のように可愛がってくれる。




なんか⋯⋯幸せだな。




私は本当に引き取ってくれた家に恵まれている。




そう実感した。



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