【完】俺が幸せにしてやるよ
さすがにそれはわかってたんだけど。
もう少し可愛げあってもいいのに⋯⋯。
「あ、でも鋭いってことはやっぱり悠斗くん家と学校では違うの?」
「全然違う!学校の兄貴冷たすぎるし」
はぁ、とため息つきながら言う陸斗くん。
やっぱり。
そう思ってジトッと悠斗くんを見る。
「俺はそんなつもりないんだけど」
そう言って苦笑いしてるけど⋯⋯。
「自覚ないのが一番怖くない?」
「それ俺もずっと思ってて言ってんだけど特に何もなしなんだよな」
「自覚あるお前よりはましだと思うけど」
呆れたように言う悠斗くん。
「でも、俺優しいからさぁ」
なんて、おちゃらけて言ってる陸斗くんだけど、そうだ。
一番最初に会った時すっごい王子様だったな。⋯⋯今は全然違うけど。
「あ、てか、兄貴。在校生の言葉どうだった?」