猫系男子の寝言
眼中
隣の席の猫田君は、いつも寝ている。
けれど、よだれは垂らさないし寝言もいびきもかかないし。
規則正しくされる寝息だけが聞こえてくるだけであって
寝相は悪くない。
頭の位置を変えるとき時々こちらを向く。
その時、こっそり寝顔を見れるチャンスでもあるのだが。
本当に純粋無垢な顔で寝ているから、つい見とれてしまう。
今日ももちろん、彼は目を瞑っている。
「おい、猫田。起きろって何回言ったら分かるんだよ」
教卓から先生が軽く注意をする。
国語教師の 天馬 涼(テンバ リョウ)先生。
歳は確か保健室のバカと近かった気がする。
よく2人で話しているところを見かけるから、仲がいいのだろう。