HEROに花束を(完)
わたしはこのまま帰る気にもならず、ぶらぶらと街を歩いた。
わたしが住んでいる田舎よりもずっと都会で人の多い場所。
思いつきのまま駆け出してしまったから服装もよくよく考えてみればとてもおかしい。
もしかしたら悠がいつも変な服装をしているのも、そんな細かいことに気を使う時間が惜しいくらい、何か強い衝動にかられているからなのかな。
確かに、服装とか見かけとか、どうでもいいじゃん。
初めて浮かんだこの考え。
別に街の住人がわたしの服装に興味があるとは思えないし。
そんなくだらないことに時間を使うくらいなら、
自分が喜べることに突っ走るべきなんだ。
自分を犠牲にしてまで周りの目を気にして、何になる?