HEROに花束を(完)
大通りに歩み出た。
両端には大きな桜の木々が並んでいる。
緑のドレスを纏っているけれど、それでもすぐに一目で桜だってことがわかる。
それくらい、わたしはこの木を見てきたんだ。
うんざりするくらい、この木々に振り回されていたんだ。
悠が来てから桜の木々を見て何かを想うことはすごく減った。
それでも、たまに、ふと窓の外を見て、桜の木々を見てしまうと…
思い出してしまうんだ。
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