HEROに花束を(完)

悠はそんなわたしを見てきつく唇を噛み締めた。


そして何かを決したかのように、


「ん。」


って、わたしの目の前にしゃがんだ。



「えっ…?」


「ん!」


そう言って腕を後ろに出す。


「ほら、早く乗れよ。」


「っでも…。」


「そんな震えてるお前ほっとけるわけねーだろ。」


そこまで言われたら乗らないわけにもいかず、


わたしは上半身を伸ばして悠の首に腕を回す。
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