HEROに花束を(完)
頰に当たる悠の髪はやっぱりすごく柔らかかった。
悠の一歩一歩はなんだかすごく自信にあふれていて、まるで自分だけの世界を生きているかのように思えた。
そんな悠が、わたしの憧れだ。
わたしは悠の背中に身を預けながら、悠の鼓動を感じようとする。
悠はへらへらしてて、なんだか頼りなさそうに見えたけど、ちゃんとするときは背筋を伸ばして勇ましいんだ。
そんな悠だから、
ーわかるんだ。
悠の体温を感じながら、悠の心まで繋がっているような気がするから。
だからわかるんだ。
悠がすごく真剣にわたしと向き合ってくれているんだって。