HEROに花束を(完)
「いきなりで…本当に…ごめん。」
わたしは顔を上げない。
「二年…ぶり…だね。」
美菜ちゃんは慎重に言葉を選んでいるようにも聞こえる。
わたしが一方的に避けた結果がこれだ。
でも、許せなかった。
わたしの苦しい思いを美菜ちゃんが全部知っているからこそ、許せなかったんだ。
わたしが辛かったことを知っていて隠していたのが苦しかった。
わたしのお父さんが…美菜ちゃんのお父さん…だなんて、
信じたくなかった。