HEROに花束を(完)
「わたし…ね…、」
美菜ちゃんが静かに喋り出す。
「ずっと…謝りたかった…。」
今更なんて、おかしい。
美菜ちゃんが全部隠してたのが、一番辛かった。
「っ…おかしいよ。」
わたしは声を絞り出した。
「ひどいよっ!」
美菜ちゃんが顔を歪める。
「わかってる…の。わたし、すごく、穂花を傷つけたから。」
傷つけたなんてものじゃない。
心に穴を開けた。
お父さんに置いて行かれたかと思ったら…親友にまで、裏切られてた。