HEROに花束を(完)

少し前を歩いていた悠は立ち止まる。



顔が見えないのをいいことに、わたしはもう一度言う。



「悠が好きです。」



悠は動かない。


夕焼けがバラ色に悠を染めてゆく。


黒い影は長く続く。


「ふふっ。」


わたしはほおを緩める。
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