HEROに花束を(完)
そのあと悠はお得意の冗談で場の空気を和ませ、わいわいと楽しく昼食を終わらせた。
いつの間にか時計は5時を指していた。
「本当にあっという間だったわね。悠くんのお話面白いんだもの。全然気づかなかったわ。」
お母さんがエプロンをたたむ。
「なんだったら夜ご飯もいいのよ?」
「いや、それはさすがに悪いんで、帰ります。」
悠は立ち上がる。
それに合わせてわたしも腰を浮かした。
「本当に、ごちそうさまでした。」
悠は明るい笑顔で頭をさげると、玄関へ向かう。