HEROに花束を(完)

「無自覚。」


「へ?」


「ああ!もういい。ただ、今日の穂花は大人っぽくて綺麗ってだけ。」


そう言って悠は照れているのかほおを膨らましてそっぽを向く。


わたしもなんだか悠の恥ずかしさが伝染してしまったようにボンっと赤くなる。


そのあとしばらくお互い気まづい空気が流れた。


悠と気まづくなることなんてないから戸惑う。


今日の悠はなんだか変だ。


いつもだったらベラベラしゃべっているのに、今は目を泳がせて髪をわしゃわしゃしてばかり。


なのに帰るそぶりも見せず、一定の距離を開けて立っているだけ。


あっ。


もしかして…
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