HEROに花束を(完)
眠気と戦いながら横になっていると、机の引き出しが目について立ち上がった。
引き出しを開ければ、もうずっと触れていないあのノート。
悠が現れてから、わたしはすごく変わった。
このノートがなくても大丈夫になった。
わたしはきっと強くなったんだと思う。
空想の男の子がいなくても、わたしは一人で頑張れるようになったから。
「今までありがとね。」
そう呟いてノートをしまった。
次いつ開けるのかなんてわからないけど、毎回これを見るたびに、自分は成長しているんだなあって感じて、励ましになる。