HEROに花束を(完)

そして悠はパッとわたしの格好を見て、なぜだか急いで目を逸らした。


「っ…。」


「え?」


わたしはどうしたのかと悠に歩み寄る。


足首まで波が押し寄せてきて、思わず後ずさる。


「もしかしてお前、泳げねーの?」


そう聞かれて小さく頷く。


「大丈夫だよ、俺がいるから。」


そう言われて心臓がまた騒がしくなる。


悠は無意識にカッコイイことばかり言ってるんだよ。


気づいている?


そしたら他の女子たちも悠のこと好きになっちゃうじゃん…


って、わたし、付き合ってもないのにもう嫉妬している。
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