HEROに花束を(完)

すると悠はいきなりわたしの手を握ったかと思うと、バシャバシャと波の中に入って行った。


「ちょ、悠!」

「大丈夫だっつーの。ほら!」


そう言ってクシャって笑う悠がわたしは大好きなんだ。


押し寄せてくる波は冷たくてとても気持ちが良い。


思わずあははって笑うと、悠はそんなわたしを見てなんだか嬉しそうな顔をした。


「楽しいか?」

「うん!」


悠はわたしに水をかけてきてはそれは楽しそうに笑う。

悠を好きになってよかったって思った。

そこらへんの変にカッコつけたクールな男子より、いつだって笑顔でいつも素直に人生を楽しんでいる悠の方が断然かっこいいと思う。
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