HEROに花束を(完)
「そ、そうだよ。」
「まじかー、知らなかった。」
悠はそう言ってニヤッと笑った。
「会えるな!」
「へ?」
思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。
「ははっ、なにその顔。」
悠は無礼にも人様の顔を指して笑い出した。
ムッと口をつぐむと、彼はまたあはははっと吹き出す。
もう、ほんと、どこまでバカなの。
「変な意味じゃなくて。だってダチじゃん?」
そ、そっか…友達だから。
え…ちょっと待って…
わたしの…友達なんだ…
そうだ、わたし…友達ができたんだ。
なんとも言えない気持ちが芽生える。
友達なんてあまりにも新鮮で。
どうしたらいいのかわからない。
困って黙り込んでいると、ツン、と頰を突かれた。
「今は困ってる顔。だろ?」
「え…。」
どうして…わかったの?
わたしの心境の変化なんて、家族ですらわからない時もある。
なのに彼は…