HEROに花束を(完)

「んー、好き、だからかな。」


思わずドキンっとした。


自分に向かって好きって言っているわけじゃないのに、ばくばくが止まらない。


大きく息を吸って自分を落ち着かせるともう一度聞く。


「部活、どうしてしないの?絶対エースになれるのに。」


そしたらきっとかっこいいんだろうな。


「夜遅くなるとお母さん心配するから。」


そういえば、前も夜ご飯を食べないってお母さんが誘った時も悠のお母さんから電話がかかってきていた。


「お母さんって心配性なんだね。」


何気なく言った言葉に、悠はなぜか黙り込んでしまった。
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