HEROに花束を(完)

わたしが恐る恐る水に入ると、一瞬だけ体が沈んで、怖い!って思った時には、悠の温かい腕の中にいた。



「ほら、言っただろ。」



そう言って優しく笑う悠。



また、抱き合っているような形のわたし達。



すると、悠は一瞬ためらったようにも見えたが、早口で言った。



「今のお前の格好、ちょーかわいい。」



カアッ〜。


体温がぐんと上がる。



「だから、緊張する。」



ねえ、そんな事言ったら、わたしバカだから勘違いしちゃうよ?



「今日のお前、すげー大人っぽい。エロい。」


「は、はあ?」


「仕方ねーだろ。そんな格好して抱きついてくるお前が悪い。」


「だって悠がこの服選んだじゃん!」


「じゃあさ、お前がすげー綺麗で色っぽいっていえばいいのかよ?」


「っ〜。」


もう、心臓が持ちません…。


今日の悠は、変です。

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