HEROに花束を(完)

「わあー!美味しそう!」


なぜだかわからないけれど、今は美菜ちゃんとその従兄弟の蓮さんと一緒にかき氷を食べている。


「悠の方が美味しそう!」


「いや同じだし。」


「一口もーらい!」


と言って悠のかき氷を食べる美菜ちゃんを見て胸が痛む。

もちろんこの前仲直りしたと言っても、まだ完全に傷は癒えていない。


それに…


「悠って相変わらずかき氷苦手だよねー。」


「はあ?別に苦手じゃねーし。」


二人はすごく仲が良い。


そういえば、二人って幼馴染なんだったっけ?


でも確かに、美菜ちゃんは小さい頃から、隣の家に住んでいる男の子がいるっていう話をしていたっけ。

だけどその子、悠とは小中違ったから会うこともなかった。

美菜ちゃんとは中学から学校が違って、だけどすごく仲が良かったから毎週のようにあっていた。

だけどあのことがあってから全く会わなくなったのだ。
< 255 / 537 >

この作品をシェア

pagetop