HEROに花束を(完)

「ねえ、二人で抜け出さない?」


「っ、は、はい?」


何を言っているんだろう、この人は。


抜け出してどうするの?


こういうことに経験がないわたしはこういう場合にどうすればいいのかさっぱりわからない。


「もしかして穂花ちゃん、こういうの、慣れてない?」

「え、その、あの…はい。」


正直にそう答えれば、


「やっべえ。超タイプ。」


なんて言われてますます困惑するわたし。


「じゃあさ…うーん、二人で飲み物買ってこよう?あの二人、喉乾いているかもしれないから。」


ああ、そういうことか!


「あっ、はい。」
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