HEROに花束を(完)
「みんなは何が飲みたいのかな。」
そう呟けば、蓮さんは口角を上げた。
「買いにはいかないよ。」
「えっ?」
「二人で話したかったから。」
そう言って蓮さんはわたしの手を握った。
驚いて固まっていると、
「このくらいは慣れておかないないと、悠に引かれちゃうよ?」
「えっ、そうなんですか。」
「うん。だから俺と一緒に練習しようか?悠にびっくりされないように。」
そう話す蓮さんに、わたしはん?と思って聞く、
「なんで…知ってるんですか、わたしの気持ち…?」
「見てればわかるよ。美菜と悠が話しているのをみて、穂花ちゃん悲しそうだったから。」
恥ずかしくて顔が熱くなる。
「ちょっと建物の中に入ろうか。」
そう言って蓮さんはわたしの手を引いて休憩所のような建物の中に入った。