HEROに花束を(完)
蓮さんからは、悠の日向の香りはしない。
男の人って感じの、爽やかな香水の香り。
「ちょ、蓮さん…」
蓮さんはなかなか離してくれない。
それどころか、蓮さんの手が背中を這い上がってくる。
怖くなって動けない。
「蓮さん!」
「それでね、もし悠がこんなことしたら…。」
そう言って蓮さんはビキニの上に手をかける。
蓮さんが何をしているのかわからないけれど、体が危険信号を出す。
「やめてくださいっ。」
そう言って蓮さんを押しもどそうとするものの、蓮さんは力強くわたしを抱きしめていて離してくれない。
それどころか、だんだんと前のめりになってきていて、わたしをベンチに押し倒した。