HEROに花束を(完)
「悠と美菜はね、幼馴染で、すごく仲が良かった。中
一の春に付き合って、秋にはもう別れてた。短かったよ。」
長さなんて関係ない。
お互いのことを好きだったかが問題なんだ。
「俺はそこまで悠とは仲良くなかったし、結構嫌われてたみたいだから、なんで別れたのかはわからない。二人はすごいお似合いだったのにな。」
蓮さんは静かに話す。
「ただ、その同じ時期に、悠がサッカーを辞めたってことだけは知ってるよ。」
「っ…えっ?」
サッカー…?
「悠はサッカー部だったんだ。」
う…そ、でしょ?
「そうだな。俺の知ってる限り、悠はサッカーに命注いでたって感じだったよ。」