HEROに花束を(完)
なんで…?
どうして…?
「俺はその理由は知らないし、知ろうとも思わなかった。興味がなかったからね。」
蓮さんは言って、小さく微笑んだ。
「だけど、穂花ちゃんの好きな相手だって知ったら、興味湧いてきたかも。」
蓮さんの声がどこか遠くでこだまする。
わたしは混乱する頭を押さえて目をつむった。
悠は、サッカー部だった…
だけど、今は部活をしていない…
そしてその時期に、美菜ちゃんと別れた…。
改めて、自分の悠の無知さを思い知らされた。
悠は自分について何も教えてくれない。
いっつも笑ってるけれど、その奥は何も見えない。