HEROに花束を(完)

わたしがぼうっとしている間に、悠はいつの間にかお会計をしていた。


そしてそのままスーパーを出て行く。



「え、ちょっと!」



わたしが柄にもなく大きな声を出すと、悠が振り返った。



もう外は暗くなっていた。


自転車が通った時、その白い光が悠を照らし出した。


意外と、背、高いんだな…


って、そうじゃなくて。



「お金。」



いつの間にか払ってもらっちゃってたわたしはバカだ。


ばかばかばか。


お母さんにいつも言われてる。


人とお金の貸借りしないって。


それに…この人に借りをしていると思うと…なんか申し訳ないというか…なんというか…


完全に気を抜いてしまっていた…




< 27 / 537 >

この作品をシェア

pagetop