HEROに花束を(完)
わたしがぼうっとしている間に、悠はいつの間にかお会計をしていた。
そしてそのままスーパーを出て行く。
「え、ちょっと!」
わたしが柄にもなく大きな声を出すと、悠が振り返った。
もう外は暗くなっていた。
自転車が通った時、その白い光が悠を照らし出した。
意外と、背、高いんだな…
って、そうじゃなくて。
「お金。」
いつの間にか払ってもらっちゃってたわたしはバカだ。
ばかばかばか。
お母さんにいつも言われてる。
人とお金の貸借りしないって。
それに…この人に借りをしていると思うと…なんか申し訳ないというか…なんというか…
完全に気を抜いてしまっていた…