HEROに花束を(完)
涙がぶわっと溢れ出す。
その瞬間、悠に強引に腕を引かれて抱きしめられた。
「好きになんてならなければよかったっ!」
もうわたしは止まらない。
「悠なんて大っ嫌いっ!」
泣いて泣いて声が枯れそうになる。
「悠なんか見たくもない!!!」
悠の腕が苦しいくらい強くわたしを抱きしめる。
「離してっ!離してよっ!!!」
そう叫んでも、悠は余計強く腕に力を入れるばかり。
「悠なんか嫌い!嫌い!大っ嫌い!!!」
悠が一瞬震えた。
「離してっ!!!!」
それでも悠は離さない。