HEROに花束を(完)
「っ…。」
悠はそのまましゃがみこんでしまった。
「っ、悠?」
「俺っ、もうわかんねえ…っ。」
「悠…?泣いてるの?」
蹲った悠はなんだかすごく小さく見えて、胸の奥がきゅっと痛くなった。
「穂花っ…。」
「っん?」
「っ…俺っ、嘘ついた。」
「えっ?」
「俺、嘘…ついたっ。」
思わずわたしは両膝を砂につけて、悠の震えている体をぎゅっと抱きしめた。
大きくて温かくて、それでいてぼろぼろになっているその体を力一杯抱きしめた。
「悠っ…?」
「嘘っ、ばっか…。」
悠は繰り返しそればかりを言う。