HEROに花束を(完)

悠は紐を結び終えると、わたしを悠の方へ向けた。



「蓮はチャラいから気をつけたほうがいい。お前危うく襲われそうだったから。」


「襲われる…って?」


「知らなくていい。」



悠はそう言うと、少し拗ねたような表情をした。



「蓮の方が俺より先に穂花に触れたなんてずりーな。」



ねえ、それ、悠がやきもち焼いてるみたいに聞こえてしまうのは、



わたしがばかだから?



そして悠は小さく微笑むと、今度は優しくわたしを抱き寄せた。



「穂花、いい匂い。」
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