HEROに花束を(完)
悠には謎が多い。
その謎を全部解きたい。
他の誰よりも悠のことを知りたい。
こんなわたしはきっと気持ちが悪いと思う。
それでも悠で頭がいっぱいになって、悠へのこの想いが止まらない。
「いっただきまあす!」
とびきり大きな声で朝ごはんを口に運ぶ。
「んー!おいしい!」
「悠ちゃんみたい。」
そう言ってお姉ちゃんは笑う。
悠と似てるって!
これだけでこんなにも嬉しい。
悠と同じ人になりたい。
悠のバッグになりたい。悠の懐中電灯になりたい。悠の全てになりたい。
「悠ちゃんが伝染してきたんじゃん?」
「そうかも。」
キス…でね。
そう思ってまた勝手に恥ずかしくなる。
「きもーい!」
お姉ちゃんに言われても、
「ありがとーー!」
って返事ができるほどわたしは浮かれていた。