HEROに花束を(完)
そして今、観覧車の中で千秋ちゃんに問い詰められている状況です…。
「えっ、何、好きだったの?」
「いや、だから、好きとは言ってないけど…まあ、好き…かなあ?」
「いやいやいや!好きなんです!」
「は、はい…。」
千秋ちゃんの鋭い眼差しにタジタジのわたし。
「いや〜穂花にも青春がね〜。」
千秋ちゃんは何やら一人想いに浸っている様子。
「ママは嬉しいわ!」
いつからママに…?というところは突っ込まないでおこう。
「で、どうなの?付き合ってるの?」
「う、それは…。」
「えっ、まさか付き合ってないとか言わないでしょうね?キスもしたのに?」
千秋ちゃんは信じられないといった表情でわたしを凝視している。
「うそでしょ…。」
彼女の言葉にわたしはため息を漏らす。
ここ二週間くらいずっとそのことを悩んでばかりだ。
悠のことで頭がいっぱいで、自分がどれだけ悠のことが好きなのかを本当に思い知った。
だけどきっと…悠はわたしと同じ気持ちじゃない。
だって、そうだったらもうきっと…付き合えてるんだもん…