HEROに花束を(完)
*5*
花火大会
カラン、カラン、と履きなれないげたで人混みを縫って歩く。
甘く香るのはふわふわした綿菓子にかき氷のシロップ。
夜の屋台をを色とりどりに飾るのは、
子供達が持つヨーヨーに水槽で泳ぐ金魚たち。
毎年ばあちゃんのお小遣いで食べた、
屋台の香ばしいたこ焼きの匂いが食欲をそそる。
少し夏には暑い浴衣を来て、
髪の毛もお姉ちゃんにお団子に結んでもらった。
少し喉が乾いてきて唇を結べば、
隣をラムネを持った男の子が駆けてゆく。
「パパ〜!見て!ラムネ買ったよー!」
そんな無邪気な子供を見て、少しだけ切なくなった。