HEROに花束を(完)
「これで…少しは気分晴れた?」
わたしは小さく微笑んだ。
「…うん、ありがと。」
しばらく無言でかき氷をすくっては飲んだ。
千秋ちゃんといると、無言が息苦しいものではなく、どちらかというと落ち着く。
「なんかさ…まだ、信じられない。」
千秋ちゃんは小さく言った。
「だって、あんなに二人仲良かったのに…。」
「もう、終わったことだから。」
そう言って溶けたかき氷をゴミ箱に捨てる。
「でも、やっぱり納得できない。」
千秋ちゃんはわたし以上に気にかけてくれている。
それがすごく心地いい。
「返事くれて、すっきりした。」