HEROに花束を(完)
悠がいるだけでみんなは笑顔になれる。
それって、きっとすごいことだ。
どこか抜けてて、今もねずみ男みたいな悠だけど、
その気ままな性格がまた良いのかもしれない。
食事が終わったのはもう9時を過ぎた頃だった。
「ご両親心配してないの?」
「はい、大丈夫です。本当にごちそうさまでした!」
悠は深く頭をさげる。
こうやって腰が低い所も、きょう初めて知った。
「おやすみ。」
わたしが門までついていくと、悠はふんわりと笑った。
「今日めっちゃ楽しかった。また明日な。」