HEROに花束を(完)
「美菜ちゃんは、わたしの親友だったんだよ。」
そういえば、父が目を見開いてバッと顔を上げる。
「あなたはわたしの親友の父親になったんだね。」
すこし嫌味のある言い方をあえてした。
父がすがるように近づいてきたからわたしはぱっと距離をとった。
「あなたは、美菜ちゃんを愛してる?美菜ちゃんのお母さんを愛してる?」
そう尋ねれば、父はまた震えだした。
「一番に、あの人たちのことを愛してる?」