HEROに花束を(完)

『お母さんはすごく綺麗な人で、まるで美しい桜の花みたいだったよ。』


『桜の花?』


『そうだよ。桜にも花言葉があってな、優美な女性って意味があるんだ。お母さんはその花言葉にぴったりなとても綺麗で優しい人だった。』


『じゃあ穂花も桜好き!』


『そうか。穂花にもお母さんみたいに心優しい人になってほしいな。』


『うん!』


『お父さんは桜の花が好きな子が大好きだよ。』



父に大好きだと言われたかった。


それがわたしの一番の喜びだった。

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