HEROに花束を(完)
「はあ、疲れた。」
悠は脱力したように芝生に身を投げた。
「ねえ、悠?」
グラウンドを男子生徒がわやわやと駆け回っている。
「んー?」
「友達のところ、行かなくてもいいの?」
すると、悠は怪訝そうにわたしの顔を見つめてきた。
「だって、今友達のところにいるじゃん。」
「え?」
「穂花、俺の友達だし。」
本当に?本当の本当に、こんなわたしのそばにいてくれるの?
離れていかないの?
嫌いにならないの?