HEROに花束を(完)
『メリークリスマス〜!
サンタクロースだぞー!って…びっくりしてるよな。
実は、俺、もともとこの冬に引っ越す予定だったんだ。
言わなくてごめんな。
俺は、これから光を探しに行くから、いつ戻ってくるかはわからない。
光を探す冒険だ!なーんてね。
ただ、美菜から聞いたかもしれないけど、俺は失明する可能性が高いんだ。
俺の場合その病気の進行が早くから始まっていたから、十年後には何も見えなくなっているかもしれない。
だから今のうちに、たくさんのことを見ておきたいんだ。
うーん、そうだな。旅するカモメみたいになって、世界を見下ろしてみたい、的な(笑)
まあ、結論として、穂花みたいな桜の花は、俺にはもったいないんだ。
真っ暗な世界にはもったいねえーぜ?お前、すげー光ってるから。
だからその光が届く人と幸せになってくれよな。
あと…
穂花、親父さんに、会えたか?
良い人、見つけろよ。
今までありがとう…そして、
さよならマンモス!』