HEROに花束を(完)
「だってわたし、面白くないし、喋らないし、友達いないし…。」
「っ、俺がいるじゃん。友達いねーなんて、そんなさみしいこと言うなよ。俺がいるだろ?」
悠はいつになく真剣にわたしの瞳を見つめてきた。
彼の言葉がズン、と胸に沈んだ。
「ありがとう。」
泣きたいくらい嬉しい自分がいるのを知っていた。
一人になりたくてなっていたわけじゃない。
ただ、わからなかった。
どうすればいいのかわからなかった。
友達は、やっぱりまだ作れない。
作りたくない。
悠のことだって、『ごっこ』って思ってる。
だけど、悠はそんなわたしを全部、わかってくれているような気がした。