HEROに花束を(完)

「だってわたし、面白くないし、喋らないし、友達いないし…。」

「っ、俺がいるじゃん。友達いねーなんて、そんなさみしいこと言うなよ。俺がいるだろ?」


悠はいつになく真剣にわたしの瞳を見つめてきた。

彼の言葉がズン、と胸に沈んだ。


「ありがとう。」


泣きたいくらい嬉しい自分がいるのを知っていた。

一人になりたくてなっていたわけじゃない。

ただ、わからなかった。


どうすればいいのかわからなかった。

友達は、やっぱりまだ作れない。

作りたくない。


悠のことだって、『ごっこ』って思ってる。


だけど、悠はそんなわたしを全部、わかってくれているような気がした。
< 41 / 537 >

この作品をシェア

pagetop