HEROに花束を(完)
カメラを持って部室を出る。
撮影部に入ったのも、写真を撮り続けているのも、映像に必死になっているのも…
全部…
悠のためだった。
二人で行った思い出の場所を全部写真に残して、それを悠に見せたかった。
ギリギリまで、見続けていて欲しかった。
でも、もう悠はいない。
それに、どれも納得がいかないんだ。
自分でなにがしたいのかもはやわからない。
なんでこんなに必死になっているのか。
何を焦っているのか。
もう、悠はここにはいないのに…。