HEROに花束を(完)
ードッ、ドッ、ドッ
悠がそんな溢れるような笑みを灯せる理由を知りたい…そうずっと思っていた。
でも…
どんなに辛くても、いつだって冗談を言いつづけ、笑っていられたのはー---
ねえ悠、わたし、悠のこと、初めて少しわかったような気がするよ。
わたしは授業中にガタッと椅子から立ち上がる。
みんなの視線が集まる。
『うわっ!びびった!』
入学して三日目。
悠は授業中に大きな声で叫んだかと思えば、急に立ち上がるものだから教室中笑いに包またんだっけ。
『なんだ!桜じゃねーか!』
『おい、結城!』
先生の雷が落ちるものの、悠ははピクリともしないでけらけら笑っていた。
かと思えばいきなり真面目な表情になったから、みんなは何事だろうかと身を乗り出したんだよ。
『なんかこの桜…おしりみてえ。』
その発言に生徒たちも思わずまた噴き出しちゃったんだから。
悠ったら、本当にばかなんだもん。