HEROに花束を(完)

足が震える。


体がガクガクと揺れる。


口の中が急に乾いて声が出なくなる。


液体の入った点滴が、悠の腕に刺さっている管を通して悠の体に注入されてゆく。


ねえ…怪我…なんかに…見えないよ…。


その時、悠がいきなりゲホゲホと苦しそうに咳き込み出す。


近くにいた看護師さんが慌てる様子を見せずに病室に入って行く。


「悠くん、大丈夫かな?」


箱のようなものを前に置きながら、ゆっくりと背中をさする。


「ちょっと副作用があるみたいだね。」

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