HEROに花束を(完)
わたしは嫌々ながら振り返る。
「俺さ、穂花に、もっと、もっと友達ができればいいなって思ってる。」
え…
なにそれ…
友達?もっと?
もしかして、悠は、やっぱり、哀れんでたの?
友達がいないかわいそうな人だって。
「だって、お前、本当は友達欲しいって顔してるから。」
片方の手で額をツンと突かれて、わたしは伏せていた目を上げた。
「な?だから、いこ?」
友達なんていらない。
わたしは一人でいい。
空想の彼がいてくれれば、それでいい。
悠は何もわかってない。